こんにちはー!
筋トレが趣味で建築士をしている2児のパパ「マナボン」です!
今回は鉄骨造(てっこつぞう)とは何か、その特徴やメリット・デメリットなどについてご紹介していきたいと思います。
目次
鉄骨造とは
主要構造部(柱や梁などの骨組み部分)に鉄材や鋼材を用いて造った建物のことです。
読み方は「てっこつぞう」ですが、「てっこつづくり」と読むこともあります。
Steelの頭文字を取ってS造と表記されることも多いです。
鉄骨造の特徴・RC造との違い
鉄骨造の特徴としては下記のものが考えられます。
- 粘り強いしなやかさがある(RC造は堅牢・剛強という強さ)
- 鋼材の厚みにより、住宅向き、マンションなどの大規模建築向きがある(軽量鉄骨・重量鉄骨という分類がある)
- 建物重量を軽くすることができる(コンクリートに比べ、鉄骨は軽い)
- 建物の印象として重厚感は出しづらい(逆に軽やかであったり先進的なデザインに向いている)
- 遮音性・耐火性が良くないため、設計上工夫が必要
鉄骨の厚みにより住宅向きかマンションなどの大規模建物向きがある
鉄骨は鋼材の厚みが6mm未満の軽量鉄骨と厚みが6mm以上の重量鉄骨があります。
使い分けは建物規模によって分けることが多く、軽量鉄骨は主に戸建住宅や3階程度のマンション・アパートに使われることが多いです。
それ以上の規模になると重量鉄骨となります。
メリット・デメリット
メリット
メリットは主に5つあります。
- 耐震性・耐久性に優れている
- 建物重量が軽い
- 施工期間が短い
- 大空間をつくるのに向いている
- 耐用年数が長い
耐震性・耐久性に優れている
鉄筋コンクリートのように剛強ではないが、鉄骨材は材料強度が高く、粘り強さがあるためRC造と比べても遜色ない耐震性があります。
そのため高層建築でも使われている信頼ある構造です。
軽い
RC造(鉄筋コンクリート造)と違い、軽量な建物になります。
建物の軽量化を図ることは耐震化を図る上で有利になります。
施工期間が短い
施工期間はRC造に比べて、短縮することが可能です。
施工期間が短いということは施工業者の経費が抑えられるため、工事費用も抑えることができると考えられます。
大空間をつくるのに向いている
材料強度が高く、材料自体の重量が軽量というのが最大の特徴であるため、大空間を作るのに適しています。
RC造では柱間隔(スパン)が9m程度のものに対して、鉄骨は最大で50m程度
耐用年数が長い
建物寿命としての耐用年数は日常的なメンテナンスの有無にもよりますが、適切なメンテナンスを行なっていれば50年以上持つと言われており、かなり長期間建物として使用できることがわかります。
また税法上の法定耐用年数は鋼材の厚みによって変わります。
鋼材の厚さ | 法定耐用年数 |
---|---|
4mm以上 | 34年 |
3〜4mm | 27年 |
3mm未満 | 19年 |
デメリット
デメリットは主に5つです
- 建物の揺れが大きくなる
- 断熱性が劣る
- 遮音性・耐火性が劣る
- 解体時の費用が高くなる
- 固定資産税が高くなる
建物の揺れが大きくなる
鉄骨は鋼材の材料強度が強く、軽いという特性がありますが、しなることで地震や風の力を吸収しているという特性もあります。
そのため台風時などでは3階程度の建物でも建物が揺れていることが感じられるほど、建物自体の揺れが大きくなります。
断熱性が劣る
鉄骨材は熱伝導率が良いため、外部の冷気や暖気をすぐに伝えてしまいます。
そのためRC造や木造に比べると断熱性に劣ります。快適な空間を作るためにはしっかりとした断熱対策が必要となります。
遮音性・耐火性が劣る
鉄骨自体は火に弱いため耐火性は劣ります。
鉄骨に施工する耐火被覆材の進化により鉄骨造でも建築基準法で認められた耐火建築物、準耐火建築物にすることが可能です。
RC造と比べ、耐火性を確保するために耐火被覆が必要という点ではデメリットと考えられます。
解体時の費用が高くなる
鉄骨造やRC造は建物としての耐久性がある反面、解体には手間がかかるため費用がかかります。木造であれば手で解体などができますが、鉄骨造ではそれができません。
そのため親から引き継いだ建物などが古いものの、鉄鋼造やRC造で解体費用が思った以上に高いため、取り壊しができないというのも良くあるお話です。
固定資産税が高くなる
解体費用と通じるところがありますが、建物としての耐久性が高いため、固定資産税が木造建物よりも高くなります。
木造よりもさらに長く土地に固定されるもののため仕方がない部分はありますね。たいよ
まとめ
今回は鉄骨造とは何か、その特徴やRC造との違い、メリット・デメリットについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
- 鉄骨造とは主要構造部(柱や梁などの骨組み部分)に鉄材や鋼材を用いた建物のこと
- 「てっこつぞう」や「てっこつづくり」と読む
- S造と表記されることもある
- 粘り強い・鋼材の厚みにより適正な用途がある・建物重量が軽い・重厚感が出しづらい・遮音性に劣る
- 耐震性・耐久性に優れ、施工期間が短く、大空間を作るのに適しており、耐用年数も長い
- 建物の揺れがあり、RC造と比べると断熱性・遮音性・耐火性が低くなるが、対策が必要
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